このレビューはネタバレを含みます
音や煙から間接的に兵の向こう側で起きてることが伝わってくる
でも家族にとってそれは日常の中に溶け込んでしまっていて、何も違和感を覚えていないのが怖い
関心を持たなければ恐怖はおろかノイズにもなり得ないんだなと思って見ていたらいきなり現代のアウシュヴィッツ博物館の映像が出てくる
まるでヘスやヘスの家族はお前のことだとでも言われたように感じてグサリと刺された気持ちになった
それでも吐いたあとケロッと元に戻ったヘスのように、私は少し経ったら世界で戦争や紛争が起きていても特別気にすることは無く生活すると思うし、実際今までどんな戦争映画を見てもそうだった
そう考えたら、戦争の指揮に関わっていた人はもともと恐ろしい人間だったとか、ある種の被害者だったとかそういうふうに思っていたけれどそうではなくて、何も今の私と変わらないんじゃないかと思ってしまった
監督の言葉を読んでそう思った