このレビューはネタバレを含みます
トレイラーに惹かれて鑑賞。ユダヤ人の強制収容をしたあのアウシュビッツのすぐ隣に住む家族の日常を描く作品。本当に日常生活が描かれるだけで劇的なことが起こるわけではないので、正直かなり退屈で眠気との戦いが辛かった...が、状況を考えると異様さが恐ろしい映画ではあった。
作中でアウシュビッツの残虐非道な行いこそ直接的には描写されてはいないが、家族の日常を見せる中で悲鳴や異様な騒ぎの音なんかが聞こえているという恐ろしさはしっかりと描かれている。軍に所属する夫の異動の際に、ここの暮らしが気に入っているからアウシュビッツから移動したくないという妻の発言にはドン引き。残虐非道なことがすぐ側で行われていても慣れてしまうとそんな考えになってしまうって人間の怖いところだな〜。逃げだした夫の母親だけはまともな感性を持っていたということなのだろうか。
あと、白黒で描かれていたのはスパイ活動なのかな？あの家族の生活を軸に映画を観ている我々観客からすると異様な演出に見えるけど、むしろあの白黒映像やラスト付近で描かれた現代の映像で描かれていることのみが正常な思考なのであって、それ以外の映像は異常の中にいるという風に解釈したのだけどどうなのだろう。
