このレビューはネタバレを含みます
初BESTIA鑑賞、音響がとにかく圧倒的で、オープニングで心掴まれた
エンドロールも強烈で、現代音楽の音響作品を鑑賞しているような聴き応えがあった
画面真っ暗で音楽だけ流れる映画懐かしい
エンドロールが終わった瞬間、場内が明るくなる前に「うるさい」「よくある映画だったわ」と後ろの観客が話し始めた
刺さらない人にはとことん刺さらないぽいが、
今日これほど切実なメッセージはない
自宅の庭で自分が大切にする花や野菜を育て、花のために不要な雑草は何の感情もなくひっこ抜き、ひっそりと遺灰が蒔かれる。
しかし隣の施設で行われていることに無知なのではなく、
「カナダ」からの毛皮のコート、口紅、使用人に「お前も灰にしてやる」と脅す
家族や自分が豊かに暮らすために、犠牲になるものに対して関心をもたないが、搾取することに対して無自覚な訳ではない
The zone of interestというタイトル通り、家族にとって壁の向こうはゾーンの外側だが、子供の遊び方は明らかに収容所の影響を受けていてゾットする
ナチス映画で、これほど加害者と自分がリンクする作品はなかった
絶対に現在起きている虐殺に無関心でいてはいけない
---追記---
映画を観てから今まで以上にパレスチナのことが気になり、数日後「日本からできること」をまとめたドキュメントをSNSで共有していた。微々たることだけど、知人に向けて声を上げたのははじめてだった
サーモグラフィーで表現された、アレクサンドラの熱量に心打たれた