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映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブンのtanakaのレビュー・感想・評価

4.0
いつからでしょうか。フィクション、特に少年漫画において主人公たちが夢や希望を追い求める話から、地獄の中でささやかな幸せを守るため、あるいは奪われた物を取り返すために戦う話が主流になっていったのは。前者はワンピース、後者は鬼滅の刃が当てはまるでしょうか。

本作の主人公の台詞に以下のようなものがありました。
「地獄のような世界で、ささやかな幸せを守る。決して犠牲を強いない。それが王である。」

イスラエルの攻撃によってガザで失われていく子ども達の命と、それを止めまいとするアメリカ、追随する日本(岸田首相は1度は停戦を支持していましたが)。メディアからジャーナリズムは失われ、批判は無くなり、SNSで話題の可愛い動物の動画やら芸能ゴシップやらを垂れ流すのみ。

為政者による理不尽がまかり通ってしまう現実と、それを許してしまう現実世界において、王たる主人公の台詞に心打たれます。せめてフィクションの世界では理想を目指し、それが観た者の現実を変えようという原動力になる事を願います。
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