Jun潤

ゆとりですがなにか インターナショナルのJun潤のレビュー・感想・評価

4.2
2023.10.19

テレビシリーズ視聴作品。
ドラマを見ていたのも随分昔で、クドカンが描くクセの強いような共感性の高いようなキャラたちが織りなすドタバタコメディのようだった記憶しか無い状態。
かつドラマ本編放送から一年後に放送されたスペシャルドラマも録画したまま未視聴でスピンオフも見ていないので、置いてけぼりを喰らわないことだけ祈って鑑賞です。
今となってはキャスト陣は豪華も豪華で、よくこのメンツが再び揃ったなと、作品の根強い人気も感じますね。

放送終了から7年、ゆとり達がついにスクリーンへ!
いわゆる「ゆとり第一世代」の男3人。
坂間酒造の営業部長・正和、小学校教諭で童貞の山路、風俗店の呼び込みをしていたまりぶ。
彼らは令和になっても、リモートワークやZ世代の台頭、LGBTへの理解、そして国際化の波に押し流されながら生きていた。
山路の学校には国際交流としてアメリカ人とタイ人の児童が転校してきて、まりぶは中国でインフルエンサーを目指し、正和は唯一の酒の卸し先に来た韓国人女性によって契約破棄の提案がされたりと、今日もゆとりは弱く強かに生き抜く!!

いや〜これは傑作!
クドカングッジョブ。
これがもしテレビドラマから間を空けずに、登場人物などの心情や行先にまだまだ気持ちが残っている状態の時に公開されていたら、気になるところもあったかもしれませんが、大枠だけを覚えていた状態での鑑賞だったので、そういった部分は特に気にならず、ドラマの映像も使っていたことも大きいですが、少ない動きでキャラの魅力が描かれていたので、懸念していた置いてけぼり感は喰らわずに観れました。

やはりなんといってもセリフと動きの両方でこちらを笑かしにかかってくるのが良い意味で卑怯ですし、そこに世相も反映されているのだから笑わずにはいられませんでした。
個人的には童貞の演技がハマりすぎている松坂桃李がツボです。

個人的には、ゆとり世代かと言われると、そうだとも言えるし、教育の中身的にはそんなにゆとっていた覚えもなく。
それにZ世代かと言われると、一番多感な時期にSNSはそんなに無かったし、ゆとりとZの間って感じですかね。
しかしそれでも作中の描写には共感を禁じ得ないこともまた事実。
今までの通例を下の世代にも受け入れてほしいし、若者(?)の意見を世間には聞いて欲しいし。
ゆとり世代だけでなく、世代で区切ってしまえばその前は、その後は、じゃあ今は、とどんどん世代に名前をつけてはカテゴライズして特徴を列挙して、よくよく個別に見てみると誰にでも当てはまるようなことを言われていたりと、結局「○○世代」『ですがなにか』というのはゆとりに限らずどの世代にも言えることなのでしょうね。

地味に、というかもはやド派手に豪華なキャスト陣が奇跡的なまでに揃っているので、上述の通りどの世代にも刺さる作品だと思うので、一コンテンツとして引き続き笑かして欲しいですね。
Jun潤

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