このレビューはネタバレを含みます
ミヒャエル・ハネケ監督のスタッフだった女性監督ジェシカ・ハウスナー監督の6作目。
ハネケというより、リューベン・オストルンド監督っぽい。
人を喰ったテーマ設定、吐いたゲロを食べ直す不謹慎さ、現代絵画の様な構図を駆使し、インパクトの強い好奇な音楽を重ねるインテリゲンチャな作風が、21世紀の欧州映画の最先端なのでしょうか?
欧州の多数の国からの出資で、使用言語は英語。
物語は以下の通り。
夫が妻に、ネットで見つけた画期的な栄養学の先生を高校に推薦して、採用されることになったと語っている。
モダンな建築の豪華な校舎。
ノヴァク先生が校長室にお茶をプレゼントしている。ノヴァク先生は受講生に意識的な食事療法を薦める。ゆっくり食べる事で、量を減らし、それは商業主義に抗い、エコな取組だと言う。信じられない生徒がドロップアウトする中、エルサたち女子は信奉し、ダンス部のフレッドも、奨学金の為に受講していたベンも信じ始める。
拒食を続ける生徒の親たちは心配し始めた時、ノヴァクがフレッドと2人でオペラを観劇した件で、規則違反として親達がノヴァクを解任させる。
しかし、生徒達の信仰はやまず、絶食を続ける生徒たちの親は先生に頼むしかなくなり、最悪の事態が起こる…
極端な科学的考察という設定は『アナザーラウンド』にも通じるものがあるのかも知れません。
ここでのメインテーマは洗脳と真実の見極め、若しくは、学問を標榜しながらの欺瞞という見方もありかも知れません。
物語の進め方より、映像や技巧が優先し過ぎて、まとまりは良くない気がしますが、
これぞ、世界の先端を走る今風の才能なのかも知れません。