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リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングのmiwonukuのレビュー・感想・評価

4.0
彼の陽気さや愉快さ、そして勝手に体が動いてしまう曲の素晴らしさ、唯一無二のパフォーマンス力、その楽しさに対して、そのバックボーンに幼少期から長く居場所が無かった辛さ、神聖なクリスチャンとの自分の姓への葛藤、評価されない憤り、そのコントラストが大きい分胸にくる。とても人間らしい彼だけど生きていくために作らざるをえなかった彼らしさのような気もしてしまう。最後に彼が賞を取れたのは本当に救われたものの(咽び泣いた)、現代ではビヨンセがグラミー最優秀アルバムを取ることができないことの事の重大さを重ねて感じ、まだ解決していない、続いてる話だよな、と思う。
最近、NHKのボブディランのアナザーストーリーでホメロスの詩に例えて、詩の歌い継がれていく力を感じたけど、リトルリチャード自身もたくさんの人の影響を受け作り出した彼の歌やパフォーマンス、ファッションはもちろん思考も含めて今なお偉大なアーティストたちに多大な影響を与え続けるこう一連の流れというものを感じられて、音楽っていいなと純粋に思いました。
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