今年トップクラスによかった。
こういう作品がもっと世の中に評価されて欲しい。切実に。
松岡茉優、窪田正孝、池松壮亮、若葉竜也、佐藤浩市をはじめとする実力のあるキャスト陣の美しい掛け合いが素晴らしい。
畳み掛けるような会話劇は劇場でも笑いが起き、偏屈でありえない家族の愛には感動した。
映画はこの世に存在しない人間を画面の中に産み落とす行為だと思う。脚本を書く人の中にいるいくつもの人間ストックから抽出した人物像、そしてそれを他の人間がセリフを喋る。カメラの前に立つということはそれ自体も嘘の行為であり、そうやっていくつもの人の手を経て、架空の人物が産み落とされ、そしてリアリティが付与される。
業界のお作法とか手順そういうものはどうでも良くて、何かを信じる力とか愛する力で映画が動いたらいいのにな、と思う。
「カメラの前主義」という概念は、何度観ても面白いなと思うな〜やっぱり。
理由や意味を求めたら苦しいだけだよ。
理由も意味もなく突き進んでいく彼女にすごく救われるものを感じた。