尾道が舞台。
温かな商店街と下町の人情の中に、サラリと原爆の影が差す。
辰雄(藤竜也)は頑固なお豆腐屋のオヤジ。妻は早くに亡くなり、バツイチの娘、春(麻生久美子)と2人で仲良く切り盛りしていた。
寡黙な父、英語も堪能で美味しい父の豆腐を広めたい娘。時にはぶつかりながらも、仕事の合間には出来立ての豆乳を2人並んで飲む。
そんな父は心臓に持病があり、娘には言えずにいた。近所の商店街仲間たちに相談すると、早速春に見合い話を持ちかける。
まずは自分の目で見て、合格した人だけを春に会わせようと試行錯誤。
この商店街の仲間達がまた、素晴らしく楽しい。
ほっこりして笑えるし、支えあってるのがわかる。おっちゃん達の友情も良い。
春を案じていながらも、辰雄にも出会いがある。
病院で出会ったふみえ(中村久美)もまた、辰雄のよき理解者となり支える。
ふみえには身寄りもなく、その理由の1つには原爆、被爆が関係している。
とても普通の人の普通の毎日のようでいても、平凡な人生ってないんだよな。
残り30分は、どこ観てもジーンとしちゃって。本当に涙が止まらない。笑えるシーンにも関わらず、目からは涙が溢れる。
親は子に大人にさせてもらうなぁと感じるし、言葉にするって、本当に大切。
大人たちに、とてもオススメです。