しゅおん

四月になれば彼女はのしゅおんのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

愛を継続させる方法

初っ端から重いなって思ったけど、
その言葉がキーだったんだなと。

昔に記憶の中で生き続ける人と今実際に会える人。

昔は追いかけられなかったけど、今は追いかける大切さに気づいたこと。

愛を継続させるには、確かに手に入れないことなのかもしれない。
いつか終わりが来たときに自分を守ることができるから。
始めなければ、傷つくことも、泣くことも、辛いと思うことさえないから。

そうやって自分を守ってる人もいる。

だけど、気づいた時にはもう始まってる恋もある。
幸せ半分、悲しさ半分という気持ちは分かる気がする。

そうやって恋をして、愛を知って、愛する。

そして、あの時追いかけていれば、必死に想いを伝えていたらってハルちゃん目線でみると切ない。

どうしてもタイミングと縁と運があって、織りなす関係性がある。

昔の純粋でまっすぐな気持ちを見つめ直したい、自分が好きな自分に戻りたいっていうのは彼女の最後の願いだったのかもしれない。

きっとまだ藤代くんのこと好きだっただろうし、だから一緒に見るはずの景色を見て、想い出にしたのかな。
自分のこともあるし、相手に対して応援を選んだのも彼女らしい。

後半の弥生さんとハルちゃんが涙しながら笑いあうシーンにぐっときた。
きっと、そんな色んな思いがこみ上げてきたんだろうな。

幸せだと相手に対してごめんなさいって言ってしまう弥生さん。
ハルちゃんと対峙してる時の思いを打ち明けた時に発したごめんなさいはそんな意味と、自分勝手でごめんなさいっていう2種類の意味に聞こえて、それもまた合わせて切なかった。

そして、話だけでなく、主人公に対して皮肉を言う人たちも中々パンチが効いていてよかった。
風景もとても綺麗。
癒される。

日々の繰り返しの中で、この一瞬がどれだけ大事かを感じさせてもらえる。

そんな作品だった。
しゅおん

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