さくぞー

四月になれば彼女はのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

恋愛をしたことがある人なら誰しもが経験ある別れと倦怠期とまでは言わないが別れる寸前くらいの空気感にフォーカスしたストーリーやセリフ回しなどは共感性が高く刺さるものが非常に多いものの、それを覆う"狂い"のようなものが終始ついてまわる(特に終盤)な怪作。大傑作になり得る可能性は非常に感じる。映像は言わずもがな、邦画の恋愛系でシネコンものながら108分にまとめているのは◎。

評価が今ひとつな理由としては、キャラの心情が観客には当事者として刺さるが、物語として観た時にキャラ自体の掘り下げが不十分なので共感できるが面白くない、というようなことが起こっているのではないかと思う。
難しい、よく分からないという感想が出てくるのはこういう点で「分かるけど、なんでそうなるん?」みたいな感情になってるんじゃないかと。

「もっと焦ったりジタバタするとこ見せてよかったんじゃない?」は刺さったよ。何か付き合ってるとカッコつけちゃうよね。私に会いに行く〜、のくだりも好き。
特段劇的な描写なく(DVとか浮気みたいな)他人の恋愛話を盛り上げられているのは凄いことなんちゃう?

職場を辞めるんじゃなくて長期休暇取って別の仕事してるの狂い女じゃん。現像した写真から弥生が出てくるとこスリラー映画。

二段目のキャスト(仲野太賀・中島歩・河合優実)が素晴らしすぎて鑑賞。
特になら仲野太賀は安定の素晴らしさ。オネエって感じではないが、ゲイであるというのをスッと理解させる役作り(別れ話をする時に何となく男性だったんだろうなと思わされてしまう)が圧巻。佐藤健との絡ませ方も自然で、正しい多様性の描写なんじゃないかと思う。たぶん誰も太賀がゲイキャラだったの気にしてないでしょ。カラオケシーンで裏声の切り替えが上手すぎて一緒にカラオケ行きたい。

映像:======A
脚本:===D
編集:=====B
俳優:=======S
人物:======B
音楽:=======S
音響:======A
【MVP】タスク
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