のんじ

世界のはしっこ、ちいさな教室ののんじのレビュー・感想・評価

4.1
 学校という施設はなく、先生が移動しながら、またその地方へ出向いて学びの必要性を説くドキュメンタリーである。

 ブロキナファソ(アフリカ西部)、シベリア、バングラデシュのそれぞれの国で、3人の先生が、その地域特有の問題を抱えながらも、理想と目的をしっかり持って学びたいと思う子どもたちに寄り添い、教えることを諦めないで、世界のはしっこで頑張っていることに頭が下がる。

 私たちの国は誰もが平等に学習する機会を得るために、高等教育への授業料の無償化を目指している。この試みは本当によいのであろうか?と教育とは何か?を自問してしまう。 

 世界には、修学費用がない、学校がない、先生がいないなどの理由から学ぶことが出来ずにいる子どもたちが多いのであろう。

 しかし、どのような劣悪な状況にあろうとも学ぼうとしている子どもたちの目の輝きと意欲には感動する。
 また、児童婚、識字率、遊牧民の伝統言語継承など、いろいろなことをこの映像から私は知ることができた。

 どこに住んでいようが、子どもたちはその国の輝かしい未来の宝に違いない。

 私見ではあるが、教育費の無償化は本当に子供達にとつての学習意欲に繋がるのであろうか。家庭の生活が安定しない限り、子どもたちは幸せを感じられないし、閉塞感は拭えないと考える。ヤングケアラーなどの問題も他国の貧困地域と何処か似ている気がする。

 教育とは直ぐ結果は出ないが、しかしこの映画は政治家や先生たちにも観ていただきたいと思う。
のんじ

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