王冠と霜月いつか

グランツーリスモの王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

“どれほどの技術を習得していても、これでもういいと思ってしまえば
その状態を維持することもむずかしい。
常に上を向いて努力をつづけていなければ、上のレベルに移行する事はできない。道を極めるという事は、そういう事だと思っている”
~城島G.H. 俊也/頭文字D


面白かったです!

ゲームはやったことありません。レース業界の事はほとんど知りませんが、そんな私でも、映画は、主人公の前に生じる葛藤をどう乗り越えて成長し勝利するか(負ける場合も勿論あります)を描くモノなので楽しめました。 見事に何方にも楽しめるエンタメ作品となっております。

事実に【基づく】ストーリーの割に、ちょっとテンポ良く都合良く展開しすぎかなと思う所もありましたが、それがホンモノのレースの様な疾走感につながったのだと思います。しばらく作品に恵まれなかったニール・ブロムカンプ監督、面目躍如って感じです。

ドライビング・テクニックは高い意識で沢山走り込んだ者には敵わないなら、とても々リアルなドライビング・シミュレーターで何千回走った経験値を、現実じゃなくて所詮ゲームだろ?と馬鹿になんて出来ないのです。体感するGとか、クラッシュしても怪我や命の危険が無いだけで、脳には、バーチャルとリアルの違いを判断する事は出来ないので。

それでも、元レーサーでコーチ役のデビハからは厳しくしごかれ、同じチームの筈のメカニックマン達からもゲーマーと揶揄され、ライバルチームのドライバーから露骨な嫌がらせを受けつつも、絶え間ぬ努力と結果を出していくことで、信頼を勝ち取っていくヤン。合格ラインの4位入賞で、FIAライセンス取得→NISSANと正式契約を交わして、さあこれからという時に起こした大クラッシュで観客が亡くなるという悲劇に巻き込まれ、心に刻まれるトラウマ。お約束の一旦上がった頂上から一転⤵️全てを失う展開=この大きな葛藤をどう乗り越えるのか?
ここは是非とも配信ではなく劇場で、スクリーンで、体感下さい。

それまでニートだったヤンと心の隙間が出来てしまっていた魔術師…じゃなくて父親との関係修復のシーンでは、思わず涙してしまいました😢母子家庭に育った私には一度も経験した事の無い今後も経験する事もない、羨ましいシーンでした。コーチ役のデビハとの関係が、親子っぽくなって来ていたように思えていた所でしたのでより良かったのかと思います。

個人的な事ですが、昨日、オートバイの技術向上の為のスクールで、カリキュラム中に転倒して凹んでいた私でしたが(ちっちゃな事です(笑)、この映画で努力し続ける必要性と勇気をもらいました。これからは、バイクに乗る前は、ケニーGのsongbirdを聴いて心を落ち着かせようと思います。