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グランツーリスモのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
3.3
ゲーム映画としてもレース映画としてもなんとなく中途半端な、アトラクション作品

このままだと、新作を全く観なくなりそうな予感から、dolby cinemaで観てみたのですが、自分には合わなかったかな…

少し前に『フォードvsフェラーリ』が公開されていて、それと直接比べてしまえばおしまいよ(フォードvsフェラーリはそれくらいお気に入りの映画)とは思い、本作ならではの良さを見出すことにしましたが、色々中途半端だったかなというのが感想です。

ここ最近は『スーパーマリオブラザーズ』にしろ、『バービー』にしろ、既存の知的財産を使った作品が多く、本作もゲーム『グランツーリスモ』をプレイしていた凄腕ゲーマーが、レーシングドライバーへ転身するサクセスストーリーであり、しかも実話なので、つまらなくなる要素はないはずなのですが…
主人公がゲームで腕を磨いた描写が思ったより少なく、またレースに参加するようになってからはゲームをエンジョイする描写がなかったように思えて残念。
音楽もゲームのテーマ曲が流れてないようなので、重ねて残念。
このあたりは廃盤商品を大量動員させた『バービー』のほうがIP作品としては優れていたように思いました。

また、せっかく主人公の父がサッカー選手であり、フィジカル第1主義の旧世代と、ゲームシミュレーションから実践に向かう新世代の葛藤が入れこめそうなところをあっさり流してしまっていて、ここを膨らませたら面白くなったかな〜と思いました。
総じて、個人的には、この映画を観終わったあとに車の運転もゲームもやってみたいと思わなかったのであまり良い脚色でなかったように感じました。

この映画いちばんのポイントは、エンジンの爆音を浴びられることですかね。耳がイカれそうになるほどの重低音はライブ感満載でした。

最後に。ケニーGとエンヤの音楽には救われました。それがなかったらもっと低かった…
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