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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のjasmineのレビュー・感想・評価

3.6
いわゆる伝記モノで面白かったか?と言われるとまあ普通...。って感じだった。
ただヴェルサイユ宮殿とそこにいる人たちの衣装の華麗さがしっかりと再現されていて、この要素だけでも観る価値があると思う。フランス語なのもグッド。

にわかながらもフランスの歴史が好きとちょこちょこ言っているにも関わらずデュ・バリー夫人を詳しく存じ上げなかったからそういう意味でも新鮮味があって楽しめたかもしれない。
というよりルイ15世のこともあまり知らなくて、公妾に関してもキリスト教的に大丈夫...?と思ったり、王の3人の娘たちもなかなかな性格をしていてこういう感じだったのか...と驚きもある。
ラ・ボルドだけは最初から最後までいい人すぎて好きだった。王への愛も伝わってくる。
マリー・アントワネットは行動に葛藤があるように描かれていたけど、実際のところマリア・テレジアの娘だから自発的に無視していたんじゃないかなあとは思った。その反面、のちのルイ16世である王太子は理知的で優しいという印象があって、こっちはイメージ通りかな。ここまでの美形だったかは疑問が残るけど...。
革命後のザモルの動向が文章で出てくるんだけど、ああやっぱりこういうのって立場や人種によって見え方が違うんだろうなあと。それはデュ・バリー夫人から見たフランス宮廷も同じだとは思うけどね。でも実際のところはかなり残酷な話で、デュ・バリーは可愛がっているつもりでも一種のアクセサリー、ペットみたいなものだったんだろうな。

ジャンヌの役がマイウェンに切り替わった時にビジュアル面でちょっとあれっ?と思ったけど、話が進むにつれて演じ方が彼女の人柄とかとぴったりと合っているような気がして良かった。
ジョニー・デップは言わずもがなで、特にマリー・アントワネットや娘たちに無言で迫るシーンとその後の取り繕いに対する毅然とした態度も本当に素晴らしかった。まさしく王の威厳が感じ取れた。

総評としては微妙な感じではあるけど観て損はない。ヴェルサイユ宮殿に行きたくなるよ。


011/2024
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