ShinichiAndo

瞳をとじてのShinichiAndoのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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すでに忘れてしまった記憶や、人生から消し去られた思い出があったとしても、かつて自分の中に大切なものがあったという感覚だけは、永遠に心に残り続けるものなのかもしれない。スクリーンを見つめるそれぞれの眼差しが、そのことに気づかせてくれるラストシーンは、映画讃歌と人生讃歌が重なり合う奇跡の瞬間だった。

また、映画と人生の“記憶”にまつわる作品であるとともに、“老いること”についても印象的な映画だった。旧友の「上手に老いるためには、恐れと希望を持たないこと」というセリフと、ふたりが門の外から海を眺めている後ろ姿がとても良かった。
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