ハレルヤ

瞳をとじてのハレルヤのレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
3.6
映画監督のミゲル。親友の人気俳優フリオを主演に据えた映画「別れのまなざし」を製作し始めるが、当然フリオが姿を消してしまう。それから22年後、ミゲルはフリオの存在の可能性を知り、思い出を追想しながら彼の行方を追うドラマ。

このタイトルから連想されるのは、大体の人なら平井堅の名曲ですが、映画ファンならビクトル・エリセ監督の本作になると思います。過去に「ミツバチのささやき」という傑作を誕生させた彼の31年ぶりの新作。それは期待が高まる話。

実際見てみると、映画ながらも小説を読み解いている感覚になりましたね。映画らしい演出や展開は無し。淡々と登場人物たちの行動や会話を映し出しているのみ。

当然好みは分かれるでしょう。正直僕でも眠たくなったのは事実だし、この作風で169分と3時間近く見続けるのも流石に疲れる話。

それでもじっくり味わえるビクトル・エリセの世界観。ラストシーンの後もどうなったのか、それを示さないのも作品の趣を深めているように思えます。個人的には平均点ほどの良さは感じなかったのが正直なところ。

しかし本作では「ミツバチのささやき」に当時5歳でブレイクを果たしたアナ・トレントが、同じアナという役名で出演。その点も大注目です。
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