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湖の女たちのMALPASOのレビュー・感想・評価

湖の女たち(2023年製作の映画)
3.1
映画『湖の女たち』

エロチック・サスペンス。

脚本・監督は、『MOTHER マザー』の大森立嗣。吉田修一の同名小説の映画化。

湖畔に建つ介護施設、100歳の老人が殺害される。
若手刑事とベテラン刑事が、施設の関係者を執拗に取り調べていく。そんな中、若手刑事と介護士はただならぬ変態な関係になっていく。

若手刑事は福士蒼汰、介護士を松本まりかが演じる。エロが振り切ってなくて笑ってしまう。
浅野忠信のベテラン刑事ぶりがこれまでと違うおじさんキャラでいい。

中国や韓国で近年傑作を生み出している、フィルム・ノワール的なファムファタールもの。邦画にこういう感じの映画があまりないよなと、映画祭などで韓国や中国の作品を観る度に思っていた。虚無的で退廃的で暗い犯罪もの。例えば、パク・チャヌクの『別れる決心』、中国のネオ・ノワール『川辺の過ち』、『薄氷の殺人』、『鵞鳥湖の夜』、どれも面白い。そんな感じの映画がやっと邦画にも現れたかと。音楽もバッハの♪シャコンヌを使っているあたりがアジアのノワールを意識している感じ。

社会問題がモチーフのエピソードをいくつか入れた事で、主人公2人のエロてエピソードとのバランスが悪くてなっている。詰め込み過ぎに感じるし、サイドはもう少しボヤけた描き方でいいのかもしれない。

狙っているんだろうけど、空気感や温度感があまり伝わってこない映像なのも残念。
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