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湖の女たちの708のネタバレレビュー・内容・結末

湖の女たち(2023年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

うーん、かなり難解ですよね。なんともわかりづらい。感覚的と言っていいのですかね、これって。皆さん、レビューでもそんな声が多いです。吉田修一の原作は読んでいないのですが、果たして原作はどうなのでしょうか。

いろんな解説を参考にしつつ自分なりに考えてみたのですが、この作品の根底にあるのは生産性のなさ、行き詰まり感や閉塞感だと思うのです。

731部隊と薬害事件について警察の伊佐美(浅野忠信)が捜査をしていたにも関わらず、上からストップをかけられて「なかったこと」にされてしまったこと。

週刊誌の記者(福地桃子)が伊佐美と同じところに着眼して取材を進めていたところ、同じく上からストップをかけられてしまったこと。

圭介(福士蒼汰)と佳代(松本まりか)の恋愛とは呼べない、いびつなのに成立している主従関係。

真面目に働く職員の松本(財前直見)を殺人の証拠がないまま、伊佐美と圭介ででっち上げようと横暴になっていること。

介護施設での殺人は、職員の服部(根岸季衣)の中学生の孫と仲間たちによるもの。介護の無意味さを訴えて、動けなくなった老人の ”始末” を目的としているんだろうけど、まったくなんの解決にもなってないということ。

湖というものは海のようにオープンで広がりのあるものではないし、その先に外国のようなものがあるという訳でもなくてかなり閉塞的。そんな湖のほとりで浮き彫りになることや起こる出来事は生産性も着地点もなく、ただ行き詰まりというものばかり。かなりどんよりしました。

冒頭のシーンで、車中オナニーをする佳代を見ていたのが圭介だというのがわかりにくいので、その後の展開に繋がりにくいなと思いました。圭介と佳代の関係って受け入れられないけど、世の中にはそういう関係があるのは理解できる…という感じにもなれず。

とにかく伊佐美の圭介に対するパワハラ感、その圭介の憂さを佳代にぶつけるかのような言動は理解の範疇を超えすぎて、凄く嫌な気分にさせられました。

インティマシー・コーディネーターがしっかり仕事をやっているのに、方言指導は仕事ができてないのでは…なんて声も上がっているくらい、方言に違和感を感じること多々。
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