ぐろりあ

ローマの休日 4K レストア版のぐろりあのレビュー・感想・評価

4.6
非の打ち所がない作品と言ってもいい過ぎではないのでは…。

子供の頃に白黒映画なんて古臭い…おばあちゃんの懐かしむ映画なんやろうなぁ〜と思いながら横で見てるとあまりの面白さに驚いたものでした。

レーザーディスクも持ってたから心に残る作品であり続けていたのでしょう。

一度劇場で観てみるかと、改めて見ると…
年取ったからでしょうか?
着眼点も違ってました。
いや、実に細かい❗️
嘘つきが手を入れると噛みつかれる真実の口の素敵なシーン…去り際にまるでじっと見つめる真実の口が意味ありげに映るシーンなんて…なかなかのカットです。

『人生はままならない』
『永遠に義務を果たす為に、それが役目だから戻って来た』
そんなセリフが刺さりまくりました。
ロマンチックとか自由とか幸福なんて映画だから夢を見せてくれる、追体験させてくれるとか有りがちでない現実をしっかり背負い込んでいるからラストの切なさが痛切にこたえます。
王女は背を向けて去り、男は何度か出入り口を見つめるカット…
やはり時代を超えて残る作品にはその普遍的な根拠がありました。
エンターテイメントとは言え、映画を作るという事は大人として責任を持って取り組んでいたように思います。
頭が下がります。

グレゴリー・ペックとヘップバーンの素晴らしさは言葉では表現は出来ないですね。
こんな美しい女性居たらあんなにひとりで彷徨けないでしょう?口説く連中だらけで進めないと思うけど…💦
知り合いのおばさんですらローマで歩いたら日本人❗️とばかりに口説かれたと…(嬉しそうに…☺️)語っていたのに…オードリーいたら…考えられません。

この作品はローマの観光案内もしてくれるし、当時のイタリア人の魅力も堪りません。
同僚はもとより、タクシーの運ちゃん、管理人さん、花屋のおじさん、結婚と聞いて祝福の心が止まらない人達…。
なんて素敵な人間讃歌!
観ている我々をも幸せにしてくれる。

それに改めて観ると結構なバイクのアクションシーンだったんですね…今から観るとかなり危険な事やってます。
あと、王女様捜索隊の分かりやすくてお間抜けなMIB(メン・イン・ブラック)
こんな時代でもMIB…笑笑笑

この作品見ると…あの髪を切った超絶美しいヘップバーンのシーンに確か山下達郎さんの歌が見事に重なった素敵なCMがあったの覚えてます。(曲名は…何だったのか…?)
幾つになっても幸せな気分にしてくれるから凄い映画ですね。

懐かしかったです。淀川長治さん
さよなら、さよなら、さよなら(^^)
ぐろりあ

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