miu

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のmiuのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

警官をそうさせた何か(戦争)が悪いんだ、と
いのち捨てんな!が印象に残ったセリフ。
主人公が現代からタイムスリップするので今の感覚の言葉を戦時中の人々に投げかけていて共感できるし入りやすかった。おかしいことはおかしいときちんと言える強さを持った主人公はぶれなくてすごい。百合の花言葉、純粋、無垢、威厳が似合う女の子。昔は花を見ると誰かを思い出す人が多かったのかな、川端康成が語るように。いつの時代でも「生きたい」「また会いたい」と願うのは変わらないことで、生きるために逃げることを選ぶ人が描かれているのがとっても良かった。逃げではないからね。人の尊厳がバグってしまう戦争という極限状態でそれを見失わずいられるのは強さだと思うから。
遠い国の、時代の話ではなく今と地続きの事実であること、少し突飛な設定だからといって決して物語ではない。心の目と耳で物事を判断して納得できる選択を重ねていくこと。身近な人におはようただいまおかえりおやすみを言えること。それがどれだけ尊いのかがじわっと沁みて見た後に前向きでやさしい気持ちが溢れる作品だった。戦争映画はくらいすぎてしまうので少し敬遠していたけど、とても見やすかった。
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