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あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のtakのレビュー・感想・評価

3.4
予告編で観たときの印象。
あー、またタイムスリップものかぁ
若い子の恋愛絡めた戦時中の話だけに
ターゲット明確だよなぁ
にしてもタイトル長ぇよなぁ
松竹が若者意識してきたなぁ

その印象どおりの映画だった。

でもさ、予告編で大上段に振りかぶっておきながら期待を裏切る映画よりよっぽどいいやん。本編観て潔い予告編だったんだなと思った。朝ドラ女優とイケメン役者揃えた映画を、もっと冷めた気持ちで観てしまうと思っていたのだが、思っていたよりもきちんと観られた。予定調和だとかベタだとか言われようが、期待したものが期待値ちょい上くらいで観られたならそれでいいじゃん。

確かにベタだとは思うけど、戦争がどれだけ社会や人間を歪めてしまうものかを、若い世代に向けて、これだけソフトタッチで描けるって実は立派なことでは。「ジョジョラビット」をこれじゃない!と評した自分が言うのもなんですがw。東映、東宝がかつて夏に上映していた戦記ものもいいけれど、若い世代に戦争の歴史を語り継ぐ最初のステップという目的なら十分に役割を果たせる映画だと思った。

家庭と進路に悩む女子高生が終戦間際の日本にタイムスリップ。出撃を待つ特攻隊の若者に助けられるというお話。親ガチャにハズレたと言わんばかりに、母親にあたり散らしていた主人公。彼女が「生まれた時代が違っていたら…」と呟く飛行兵と出会う。これ以上のハズれなんてないだろう、それでも彼は懸命に今を生きている。

「あー、そうくるか。はいはい」と思った場面も正直あれこれあるけれど、クライマックスとその後のエピソードは素直に受け止めました🥲。

松坂慶子が主人公たちを見守る役柄でこれまたイメージどおりのいい仕事。水上恒司くんは朝ドラも気になる。特攻兵の一員に"若君"伊藤健太郎。いい仕事して立ち直って欲しい。そして福原遥は不安しかない状況の中で、迷いながらもまっすぐなヒロインを好演。クッキンアイドルまいんちゃんの頃からみんなが見守っている。キュアカスタードもいい仕事だったけど、今後どんな役者になっていくのか楽しみ。

試写会にて。
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