MasaichiYaguchi

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.8
SNSを中心に話題となり、シリーズ累計発行部数85万部を突破した汐見夏衛さんの同名ベストセラー小説を、福原遥さんと水上恒司さんのダブル主演で映画化し、戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いた本作は、戦争を通し、人を愛すること、大切に思うこと、共に生きることの意味を描く。
親にも学校にも不満を抱える高校生の百合は、進路を巡って母親と喧嘩になり、家を飛び出して近所の防空壕跡で一夜を過ごすことになる。
翌朝、百合が目を覚ますと、そこは1945年6月の日本だった。
行き倒れになりそうになった百合は通りがかりの青年・彰に助けられ、軍の指定食堂に連れて行かれた彼女は、そこで女将のツルや勤労学生の千代、彰と同じ隊の石丸、板倉、寺岡、加藤らと出会う。
彰の誠実さや優しさ惹かれた百合だったが、彼は特攻隊員で、間もなく命懸けで出撃する運命にあった。
百合にとって彰は、彼女がピンチの時に救いだすしてくれるヒーローで、逆に彰にとって、真っ直ぐで純粋、優しい百合は癒しであり、愛しい存在なのだと思う。
タイトルにある花は百合を指し、花言葉は「純粋」「無垢」で、正にヒロインの百合を象徴している。
毎日のように戦争に関するニュースがあるなか、本作からは普段の当たり前を大事にしようというメッセージが伝わってくる。、