サラリーマン岡崎

ほつれるのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
4.0
監督の前作『わたし達はおとな』が
鬼鬱映画だったから、今回もそうかなと思ったら、
まだ前作よりはマイルド、
けど、負の連鎖から抜けられない人間たちの話。

冒頭、起きて出かける準備をする主人公。
出かける前にコップに水を入れ、飲む。
そのコップを流しに置いただけで洗わない!!
自分は不倫旅行しに行くのに、夫に洗わせるのか!?
と初っ端から嫌な感じ笑(褒めてる)

この映画の登場人物は基本静かに怒る。
主人公だけでなく、夫、不倫相手の父、不倫相手の妻もそうだ。
声を荒げて怒るのは1箇所。
このネチネチ具合が逆に気に触るが、
深く踏み込めない日本人の特性を表してる。

踏み込めないからこそ、
主人公は不倫という関係が心地よいのが伝わってくる。
そして、彼女の夫も。
だからこそ、2人は一緒にいるのは苦しいけど、
心地は良いんだと思う。
関係はほつれていくが、この関係はこれからも続くかもしれない。
それが逆に負の連鎖を生みそうで、
結構な鬱になる。。。