クリーム

ほつれるのクリームのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
3.8
これは、門脇麦の演技力に引き込まれました。不倫ものなので、ホントは好きじゃないんだけど、主人公の行動が気になって気になって…。終わり方もこの話のエンディングとしては良かったと思います。内容的に尺も丁度良く、他人事だから面白かったです。

綿子と夫·文則は冷め切っていた。夫には本心を隠して生活し、友人の紹介で知り合った木村とダブル不倫。2人で旅行に行き、木村からペアリングを貰った。しかし、その帰りに木村は、綿子の目の前で事故に遭ってしまうのだった。



ネタバレ ↓



不倫がバレる事を恐れ、119番に電話するも途中で切ってしまう。木村は帰らぬ人となり、友人からの知らせで亡くなった事を知る。葬儀には行けなかった。しかし、木村を失った喪失感で一杯になり、夫の話等、右から左。
この夫が理詰めタイプでめちゃくちゃウザイ。ので、同情はしない。ラストの方で綿子との出会いも不倫からだったと明かされる。
綿子は、木村の墓参りに山梨まで行き、墓で合った木村の父と話をする。綿子の様子で、一緒に行った友人も木村の父もただならぬ関係だったのは気付いただろう。夫も敏感に察知し浮気しているのか?と責める。
木村から貰った指輪が無い事に気付いた綿子は、あちこち探し、木村の父の元まで行ってしまう。当然、2人の関係を指摘され、父は、木村の妻に話す。綿子は、彼女に呼びつけられ、会いに行きます。妻は事実を知りたかったのだろう。一応、真摯に答えます。どういう神経してるんだろう?嘘をつかずに話す。中々、最低と言うか図太い、綿子。
1人外泊した、綿子に夫は激動し、無くした指輪を突き付けます。
綿子は不倫を認め、離婚を決意。しかし、先に不倫をしたのは夫だったらしい。やっぱり最低な男だった。夫は、別れたくないと言うが、車で出て行くシーンで終わります。

なんて事はない、醒めきった夫婦が不倫の末に離婚する話なのだが、何を考えているのか解らない主人公を門脇麦が絶妙な演技で観せてくれるので、最後まで楽しめました。しかも、夫がイヤな奴だから、可哀想と思う必要がないのが良い。気になったのは、119番のシーン。あれは不倫がバレても呼ぶべきだった。でも凄く好きなら駆け寄ると思う。綿子は、木村が好きだったのだろうか?不倫に酔うタイプなのか、もしくは夫との生活が不満だっただけなのかも知れない。
恐らく、ずっと幸せに成れないタイプなのは、確定だと思う。こう言う不倫体質な人達って、いそうだなあ。客観的なら、面白がって観れる。面白かった。
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