戦争で荒廃した大地にたくましく生きる子どもたちと、彼らが経験する出来事を、リアリズムと幻想を混在させて描く。
2003年春、イラク北部クルディスタン地方の小さな村。イラン・イラク戦争、湾岸戦争などで荒廃したこの地方に、再び新たな戦争が始まろうとしている。大人たちはアメリカ軍の動向を知ろうと、衛星放送を受信するためのパラボラ・アンテナを利発な孤児の少年サテライトに買いに行かせる。彼は近在の村々を巡る便利屋として大人たちに重宝されている。またこの村では、子どもたちが地雷を掘り出して国連の出先機関に買ってもらっている。
出演しているのは実際の戦災孤児たち。
フセイン政権崩壊後に イラクで製作された初めての映画。
2004年、初めての上映になったスペインのサンセバスチャン国際映画祭でグランプリを受賞。その後も欧州、アジア、北南米各地の映画祭で28に及ぶ賞に輝いている。
2005年にはベルリン国際映画祭の青少年審査員部門に招待され、映画祭全作品の中から選出される『平和映画賞』を受賞。