ひらかわ

哀れなるものたちのひらかわのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
エマ・ストーンが終始ヤリまくる極彩色の冒険譚。というあらすじから想像するものと、相当遠いところに着地する、ズシンと重い見事な文明批評寓話。

曇天のロンドンの地を出て、パリに到着するまでの道程は、やや繰り返しが多くもうちょっと圧縮できた気がする。日光がさんさんと降り注ぐリスボンの地で開放的になる主人公を想い、創造主の「父」がポートワインを痛飲する場面など、とてもかわいらしい。

船上やパリの売春窟で出会った素敵な人々との思い出は、われわれ観客の記憶にもしっかりと刻まれる。そしてこの作品の凄いところはラスト30分。まさかの怒涛の展開と痛快無比のオチを見逃すなかれ。
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