様々なベクトルのエグめな、思わず引いてしまう描写は多々あったけれど、それ以上に強いのが色遣いと音楽の素晴らしさ。すぐに世界観の虜になる。グロもエロもあるけどしっかりファンタジーで楽しい。ストーリーがシンプルで分かりやすいのもよき。
話が進むにつれて成長していくベラとそれに合わせて変化していく色味が一番好きな演出。そしてもうね、エマ・ストーンの演技の変遷が凄まじいのに何故か自然でちゃんとずっとベラだったから感動した。最初と最後を比較したら実際のところ完全に別人なんだよね。話し方も表情も服装も動きも。でもちゃんとベラなんだよね。すごいよ。
ウィレム・デフォーとマーク・ラファロも色々濃くていいね。2人ともぶっ飛んでるはずなんだけど他にもヤバい人間が多すぎるし、どこか愛嬌があって嫌いになれない。というか好きまである。みんなベラが大好きなんだよなあって思えるのも良い。
エンドロールまでしっかりアートで大満足。
それはそうと「哀れなるものたち」って良い邦題だなあ。ちゃんとオリジナルの素敵フォントにデザインを寄せているのにも好感。
009/2024
