koyaaa

哀れなるものたちのkoyaaaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
ヨルゴス・ランティモスなのに、随分と落ち着いた映画を!
相変わらずの独特な世界観は感じるものの、過去作の印象が示唆的な感じだったのに、今作は骨子に芯があるというか落ち着いた映画だなと思った.
倒錯感が少ないし、生きることに対するポジティブな立ち位置を感じる.

映画を構成する世界が素晴らしくよく出来てる.
意匠、音楽、カメラの構図がとても好き.
特に音楽が新しい.映画音楽というかサウンドデザインみたいな配置をしている印象.

エマ・ストーンが凛として素敵である.
彼女のコントラストがインパクトあるけれど、キャストがみんな愛らしくてよかった.

この映画は新しく、若い印象がある.
今年のアカデミーはこれなのではという感じ.

最後のはちょっとした毒なのかな.
わたしが予想した展開とは少し違った.
権力.
不穏さをちゃんとそこに残すあたり相変わらず穿った視点の人なのかも.
「新しいものは新しいものからしか生まれない」それはまた逆も然りというべきか、完全に正しくはできないところに哀れさを感じざるを得ない.
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