Nana

哀れなるものたちのNanaのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
まっさらな脳で蘇生したベラ。
世界を見て知識を得、自らの人生を切り開いていく。

産まれたての子どもから成熟した大人へ、違和感なく進化していくエマ・ストーンの演技が素晴らしい。

子どもって食べたくなかったら吐き出すし、思ったことは言う。でも身体が大人のベラが同じことをすれば「良識ある社会では許されない」とたしなめられる。大人になる過程で「良識ある社会」に適合するように無意識のうちに矯正されているんだと気付く。

生は魅力的だからあなたを許す、とゴッドに伝えた時の表情には経験に裏打ちされた強さと美しさが滲み出ていて、その言葉のメッセージ性の強さも相まって震えた。
ゴッドの「人間と動物を区別するものは何か。」という台詞。まさにエマが体現してくれていた。人間は進化できる、知識は武器になる。経験に無駄なものはない。
世界の見方が変わる作品にはなかなか出会えないものだけど、新年早々に出会ってしまった!
Nana

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