Nanaさんの映画レビュー・感想・評価

Nana

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対峙(2021年製作の映画)

4.0

境界線のようなテーブルを挟んで配置されていた4脚の椅子が、ラストでは片隅に寄せ合うように置かれている。まさにそれがこの作品そのもの。

誰もが子どもが恋しい。そこに至るまでの双方の葛藤が観ている者を惹
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TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

指揮者独特の繊細な感じ。特に舞台袖で気持ちを高めていく仕草が違和感なく、演技力の巧さを見せつけられた。

中性的で凛として、筋の通ったターがケイト•ブランシェットの透き通るような美しさにぴったり。
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ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~(2019年製作の映画)

3.5

人種、性別、社会的地位、、いろんなレッテルで人を見てるけど、いろいろ取っ払って1人の人間として接すれば理解し合える。

KKKと黒人なんて対立の典型例なのに。こんなことも起こりうるのね。

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

5.0

それぞれ何かしら抱える3人が、クリスマス休暇を全寮制の校舎内で過ごすことになる。2週間を共に過ごす内、お互いを理解し合い絆が生まれていく。

まず、この雰囲気が好き!1970年代の名門校のクラシックな
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ニュー・オリンポスで(2023年製作の映画)

5.0

出てくる女性がみんな強くて素敵。
女性たちに導かれて人生に残る鮮烈な愛を得られたんだと思う。
「私もあんな目で見て欲しかった。行きなさい。」って言える人になりたい。この台詞で涙腺崩壊。本当に心から愛し
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彼方に(2023年製作の映画)

3.8

絶望して、その度に彼方にいる家族を想い気持ちを奮い立たせる。それを繰り返しながら生きていかないといけない。
残された彼の苦しみが切実に伝わってくる。

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.8

あのまま突き進んでいくと離婚は泥沼化していくんだろうなぁ。冒頭、愛のある目線でお互いを描いているからこそ展開が辛い。
夫婦といえど、それぞれの人生がある人間だものね。

ミュンヘン(2005年製作の映画)

4.5

イスラエルの諜報機関モサドの実態を描いた「モサドファイル」を読んでいたので、とても興味深く鑑賞。

爪は切ったらまた伸びてくる。殺したと思っても新たな後継者が現れる。
口には出せないけれども、終わらな
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ブラックベリー(2023年製作の映画)

4.8

iPhone登場前のスマホ市場を独占していたブラックベリー。その成功と衰退を描いた作品。

いやー、儚い花火みたい。こういう企業間競争によって革新的な商品が生み出される恩恵を受けているのだけど、儚いな
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

権力に物を言わせる、こんな卑劣な男があんな素晴らしい映画を生み出していたなんて。大物の鶴の一声で仕事人生が変わってしまう、閉鎖的な映画業界の闇を見てしまった。

皆んなはノーと言ったのに自分は、、と自
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ドミノ(2023年製作の映画)

1.0

久々にひどい映画を観たー!
お、これは面白い予感、からの最後どんな終わり方⁈ドミノが全部持っていってるやーん!とつっこまずにはいられない。
脚本は映画の序盤に全力を注いでしまったのか?

どれだけひど
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.5

戦死した兵士の衣服が脱がされ、洗濯・縫製し直されるシーンから始まる。
直された衣類は、英雄になれと鼓舞された若者たちに支給される。戦死した兵士の物とは知らず自分の戦闘服に目を輝かせる若者たち。
国家に
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

昼間は盲目、暗闇では多少見える。その設定がうまいなー、と。
そのおかげでスピード感のある後半が違和感なく成り立ってた。朝日が昇った時の絶望感よ。完全にギョンスに没入してたな。

薬草をすり潰したり煮出
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

まっさらな脳で蘇生したベラ。
世界を見て知識を得、自らの人生を切り開いていく。

産まれたての子どもから成熟した大人へ、違和感なく進化していくエマ・ストーンの演技が素晴らしい。

子どもって食べたくな
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ホワイト・ヘルメット -シリアの民間防衛隊-(2016年製作の映画)

5.0

間違いなく彼らは英雄。ただ、彼らのような英雄を生んでしまう世界は変えないといけない。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.5

ポップでカラフルな世界の中で際立つ意志の強さ。最後まで目が離せない復讐劇。

スティルウォーター(2021年製作の映画)

4.0

人生は残酷。なかなか上手くいかない。
そんな自分と似た人生を歩んでいる父を嫌いつつ、諦めにも似た気持ちで見守る娘。そんな娘を救いたい父。
結局行き着く先は親子。何もかもうまくいかないもどかしさ。でもこ
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.3

この作品は養護施設の子どもたちのため、という是枝監督のインタビューを以前読んで、なるほどな、と納得。
優しさに焦点を当てているので、それが映画として成功しているかは観る人次第だな、と思う。
過酷な人生
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ふたりのマエストロ(2022年製作の映画)

3.0

映画館の音響でクラシックを聴きたかったので、その点では満足。
第一バイオリニスト、もう少し上手く弾く演技ができなかったものか。楽器を扱う演技は難しいなーと再認識。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.8

完全には理解できない。ただ、眞人くんが辿った心の旅に涙が止まらなかった。

SKIN 短編(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ただただ引き込まれる20分。
最初はおもちゃを見せてくれる黒人に笑顔を見せていた少年が…。差別主義者は先天的ではなく、後天的な「教育」によって生まれる、という言葉が重たくのしかかる。父親を殺さざるを得
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カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

愛おしさに溢れた作品!
子どもって、大人とは違ったやり方で自分の感情をコントロールし、世界を理解しようとしてるんだな。子どもたち独特の世界観を、その時にしか捉えることができない奇跡みたいな瞬間を集めた
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すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

4.8

映画音楽に焦点を当てたドキュメンタリー。
映画に合った音楽を作り出す作曲家も凄いけど、初見で音にしてしまうオーケストラの方たちも素晴らしい!みんな楽器マニアで、重圧に負けそうになりながらも楽しそうに仕
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.8

ポスターから、ホテルマン達が身を挺して宿泊客をテロから救う内容だと想像していたけど、鑑賞後に残ったのは報酬と信仰を餌に操られていた実行犯の少年達。
彼らは家族を養いたい、神に忠実でありたい、その純粋な
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

4.0

以前読んだ本で、イスラム教の信者達は全て起こることは神の意思と捉えるらしい。作中でも何度も「神の意志」という言葉が出てくる。無宗教の私には理解が及ばない感覚。こうして聖戦も正当化されるんだろうな。
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

フィルが秘密の場所で、愛する人のイニシャルが入った布(?)を愛でるシーンが美しすぎて忘れられない。語らずとも愛し合った人がいたんだな、と思わせるベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしい。

後半
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