うみんちゅ

哀れなるものたちのうみんちゅのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.0
オスカーやらゴールデングローブやらで色々話題なこの作品。

ロンドン 幼児時代
白黒映画なん!?ってびっくりした。とある方法で身を投げた妊婦のベラを生き返らせることに成功したゴドウィン。大人やのにめちゃくちゃ幼児ぽいベラ。豚鳥とか鳥犬とかのキメラがそこら中におる。ゴドウィンの生徒のマックスがベラの面倒を見ることに。ほんでマックスはベラに一目惚れ。ベラが外に行きたいと言って森に行ったらめちゃくちゃ外に興味津々。帰りに癇癪を起こして、制御できひんなって薬投入。その方法が、お腹の赤ちゃんの壊れてない脳みそをベラの脳と取り替えるっていうとんでもない方法。ベラは体は大人やけど、頭脳は幼児っていうコナンの逆。ただ、成長は凄まじくてその吸収力はえぐい。性に目覚めるシーンも、すごかった。マックスはベラにプロポーズして、ベラは訳わからんまま婚約。そこに弁護士のダンカンが来て、ベラを外に連れ出そうとする。ベラはもちろん外を見たいから婚約中やけどダンカンについていくことにする。

リスボン 性欲モンスター時代
ここから映像はカラーになる。外の世界に飛び出したっていう表現なんかな。徐々に言葉とか知識を得ていくけど、ダンカンとか他の男とセックス三昧。そんな中で、通りがけの婦人にベラがヴィクトリアと呼ばれる時がある。なんのことかわからんけど、これが後に大きい展開に。ダンカンはベラを自分のものにするためにリスボンから連れ出すことに。

船 勉強時代
ダンカンに船に連れてこられたベラ。最初はセックスやったけど、そこで出会ったおばあちゃんに性欲とか冒険だけが人生じゃないことを教わる。知識を得てこそ人間で、それが真理であり自由につながると。セックスから遠のき、本を読み出すベラ。それをおもしろがらないダンカン。

アレクサンドリア 気づき時代 
知識は大事。でもその知識だけではどうにもならんくらいの格差が社会にはあることを教えられるベラ。世界はそんな状況であることに嘆くベラ。ダンカンがギャンブルで大勝ちした金を全部貧しい人にあげた(と思っているけど船乗りが奪ってるのもまた社会)。ダンカンのお金がなくなって、ベラと共に船から出されることに。

パリ 社会勉強時代 
無一文。働いたらお金がもらえることを知るベラ。訳もわからず娼婦として働くことに。ダンカンにも捨てられて、娼婦館でお世話になる。セックスを通じて、いろんな人がおることと、働くことを知る。そこから時間が経って、ゴドウィンがもう亡くなるかもしれへんと連絡が来て、ベラはロンドンに戻ることにする。

ロンドン 大人時代
色付きの家をここで初めて見る。ベラは大人になって帰って来てるからこそ、この色の認識もあるんやろう。ゴドウィンは死にかけてはいるけど、ベラが戻ってきたことに嬉しさを感じてる。ベラが不在の時に違う子をベラと同じように手術して育ててるけど、ベラほどの成長は見られへん。それをベラは、また同じことしてるのってちょっと引く。ただ、マックスとの結婚も約束の通り行うことに。そしたらその結婚式にダンカンと共に、ベラの元夫の将軍が来る。策略があってか、将軍の家についていくことにする。将軍は人を懲らしめることに喜びを感じるクズやった。その家庭状況に嫌気がさして、妊娠した状態で飛び降りたらしい。監禁されて、殺されかけるけどなんとか将軍を撃つ。ゴドウィンは死んでしまったけど、ゴドウィンの医学はちゃんと受け継ぐ。もちろんそれは貧富の差を救うためとかもあるんやろう。最終的に将軍をヤギ?羊?の脳みそと入れ替えてペットとして監禁。ベラは、これまでの冒険で出会った人たちとゆっくり暮らす。

ラ・ラ・ランドのエマ・ストーンとは違う色の良さ。渋い色やったな。ほんでエマ・ストーンのそれぞれの段階の演じ方やばすぎ。幼稚なとこから段々と学びを得て、そこからしっかりと大人になっていく。最後、皮肉として将軍の脳を取り替えるのはおもろいなぁ。魚眼レンズで見せるのとか、ベラの心の状況で白黒→カラーになる手法もあんまり見たことなかった。
"哀れなるものたち"とは誰なのか・何なのかやけど、もちろんあそこに出てきた人間はその対象やろう。ほんであの世界そのものも哀れやと言いたかったから、"もの"にしたんやと思う。ほんで最後、めちゃくちゃおしゃれなエンドロールというかエンド。
好きな人と観に行く映画ではない。ほんで性的なシーンが多いから苦手な人はちょっとしんどいかも。

「哀れなる世界」
おやすミッフィーちゃん。この後また次の作品でお会いしましょう、アディオス。

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