エンドロール

哀れなるものたちのエンドロールのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
待ってました!これ、これ!
期待を裏切らないでくれたランティモス監督。すごい、今作もしっかりぶっ飛んでる。しかし原作があるとは。読んでみたいけど、この映画を越えてはくれないだろうな。衣装・美術・音楽が素晴らしいし、視覚聴覚でそれを堪能してしまった後では、読書を補う貧相な想像力では太刀打ちできないに決まっている。そのくらい凄かった。
美しい成人女性の身体を持った、ピュアな存在ベラ。彼女の体験する世界。納得な展開もあれば、気付かされることも多かった。
日々本当に、都合の悪いことには目を向けないようにして生きてしまっている。しかもこれからも、それを続けるであろうことを突き付けられる。後ろめたい。
鶏イヌとか、ゴッドが吐き出す丸いのとか、ディテールも良かった。それに何と言っても、あのダンス!爆笑。声が出ないようにこらえるのが大変だった。ランティモス作品のダンスシーンが、毎度大好きだ!
エマ・ストーンにしかこの役はできないという意見を目にしたが、レア・セドゥ版も観たい。フランスバージョンで、旅先を変えて。
年に数本の、翌日以降も引きずる作品。出会えて心から感謝。