icco

哀れなるものたちのiccoのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
あらすじだけ読んでいったのだけど、想像を遥かに越えて凄かった!!

発想・衣装・背景の建物群、世界観全てものすごく好みで、最初から最後までずっとベラの変わりゆく視点に合わせて変化していく衣装や小物やセットにわくわくした。
ベラが成長過程でスポンジを吸収するように体験から得ていく全てのものが、最終的に彼女が女性として成長した後に、彼女の価値観や倫理観に繋がっていくことに心が震える。

冒険と成長はセットだよね。
彼女が成長するにはあの素敵な豪邸を出て、彼女の自由さを愛して好奇心を満たしてくれるスポンサーとお出かけし、見聞を広める必要があったのね。
家でどれだけマナーを教えても、色んな人と出会って他人から見た自分がどんなかを自分で学ぶまでは、必要なことはよくわからないよなと思った。

性的なことはその人の隠せない本質が顕になることの表現なのかなと思ってみてたけど、色んな欲望を隠しながら人は生きてて、それを全部出しても良い場所に来たらその人本来の人間性みたいものがバーンと出てしまうだろな。
文字通り丸裸になった人間をベラの純粋な観察眼でたっぷり観察してまた彼女は成長していく。すごい。すごくよくできてる。
さぞかし多い学びがあっただろう。

衣装はコルセットをつけてない時のリッチに生地を使ったフワフワのお袖のドレスもものすごく可愛いけど、カチッと型通りに着られた赤いドレスもすごくすごく素敵だったなー。どれもこれもうっとりで、新しいドレスで現れる度に隅々まで眺めてしまった。
建物がまた素敵で、窓!窓がものすごく凝ってて素敵だった!!
住みたい。

とにかく自分の感覚をフルに刺激する映画だったなと思う。
凄いものみたな。
icco

icco