Yui

哀れなるものたちのYuiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.9
禁忌的で倫理観もかなり際どいこの世界観に終始ゾクゾクとさせられました!
19世紀後半が時代設定らしいけど、近未来的でパラレルワールドの19世紀後半だった。ベラが誕生したロンドンはそこまでだったけどリスボンの近未来感には私もベラと一緒にワクワクした。

衣装がすごく可愛くもあり不可思議でもあるデザインで目が離せなかった!
ベラの大袈裟なぐらいに大きいパフスリーブは一体何を表しているのかずっと考えてる。

体は大人の女性で中身は赤ん坊、でもそこから急速に中身も成長する様子は凄かった。体が成熟しきっているからなのか、快楽に正直なところがあってそういうシーンも多かったけど納得できる過程ではあったかな。個人的には生理の描写があっても良かったかなと思う。
自分より幼くて頭が良くない女性であったベラが急速に成長し、知性を帯びて己の力で生きる強さを備えた途端に取り乱していくダンカンが哀れだったけど、世の中にはこういう考えの人は沢山いるよね…。

登場人物にゆっくりとズームしたり逆にズームアウトする撮り方が何度か出てきたけど、昔の映画っぽくて好きだった。最近の映画で極端にこれをする監督はあんまりいない様な気がする…。

爽快で開放感に溢れたラストではあるけど、やはり不穏感は拭えないラストでもあった。 まずこの世界観が禁忌的だからなんだけれども。映画はここで終わるけど、ベラの成長はまだまだ続いていくのね。
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