ぱおこ

哀れなるものたちのぱおこのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.8
完っ全に魂を持っていかれて、観た後半日は放心していた。

映像ももちろんすごいけど、音楽が良過ぎないか?どうやったらこの世界観に完璧に合う音楽作れるんだろうか。

シュルレアリスム…というかボッシュのような不思議な世界観がとても魅力的。まさしく絵画の中に飛び込んだようなんだけど、完全に虚構ではなくなぜかリアルさを感じさせる。現実にバロメータがあるとしたら、美しさと残酷さの「つまみ」を極限まで捻っただけみたいなスムーズさ。

きっとそのリアルさは登場人物の人間らしさから来ているような気がする。ヨルゴス監督の人間の根幹みたいなところの理解度が非常に高いんだろうな。そしてそれを完璧に演じ切る俳優陣もすごい。

監督の作品を初めて観たのだけれど、この人の描きたい世界と作品がバチンと120%合ったんだろうなという感じがとてもした。確かめるために過去作さっそく漁ってきます。
ぱおこ

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