mori

哀れなるものたちのmoriのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

造られた女性ーベラがアイデンティティを確立する物語。

男たちは、天真爛漫で美しく危うさを持つベラに群がり、支配しようとする。
自分と他人の区別がなく、空っぽで、無垢な性への欲求と未知の世界への好奇心だけが疼く彼女は、彼らの支配を受け入れてしまう。

物語が進み、ベラが少しずつ知恵をつけ自己を確立していく中で、
セックス=野生的な交わりが、他人と自分の距離を測る行為に変わっていったのが印象的だった。

所有する/される関係性からの解放…ではなく、その連鎖は終わらない。
この映画をフェミニズム作品と称する人もいる。女性がイニシアチブを取るという点では……、しかしそれで片付けてしまって良いものだろうか。
「私は残酷になりたくない」と語るベラが、所有する側に回るラストに皮肉を感じた。
mori

mori