しゅんろっく

哀れなるものたちのしゅんろっくのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2
渋谷ホワイトシネクイントにて鑑賞。公開から数ヶ月経っているが、サービスデイということもあってか八割方は埋まってた。九割は女性。
傑作だと思う。大作だが、おそらく製作の核にあるエマ・ストーンの強い個人的な情熱が感じられて、全く最後までだれるところが無かった。
主人公のベラの生への覚醒の入口がセックスとしたところは非常に説得力があり、エマ・ストーンの熱演で(かなりの力技ではあるが)、それが他者への慈愛へと昇華されていく様は、見る側の心を打つ。素晴らしい美術・撮影・音楽などが、さらに拍車をかける。泣きました。
白黒とカラーのパートが混じる構成は、先日見た「オッペンハイマー」を彷彿させるが、幻惑的なところは全く無くストレートで良かった。特にカラーパートは特注のフィルムで撮影されているらしく、白黒から切り替わるところで、余りの鮮やかさに「はっ」とさせられた。