こーひー

シチリア・サマーのこーひーのネタバレレビュー・内容・結末

シチリア・サマー(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

【愛に生き、愛に散る―――「シチリア・サマー」】

個人的今年トップ5に入る脚本の良さ。

これが実話に基づいているなんて… 
とても切なく美しい物語。

劇中のセリフ「どんな物語にも終わりはある。」
そしてその〈終わり〉は突然やってくる。

周りに迫害されても愛を選んだ二人の青年。
愛を生き、愛に散った二人。

カトリックは同性愛を認めない。
そして聖なる日に聖人が街中を周る祝祭が行われる中、二人は車の通行禁止の道路をなんとか粘り強く警備員と交渉し、許可を得て通った。同性愛を禁じるカトリックへの彼らなりの反抗と取れる。

キャラクターの掘り下げに関してはトトの心情を少し匂わせておいてあまり掘り下げなかったのが残念だが、それ以外は文句なし。
風景美、音楽がシチリアに行きたくなる描き方で良かった。

家族との衝突シーンは観ていて胸が痛くなった。父親も息子も、母親も息子も、つらい…

誰も救われない映画
いや、この事件がキッカケで救われた人がいるのだろう…
こーひー

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