ジュゼッペ・フィオレッロ監督作。
1980年10月にシチリア島で実際に起きた事件を基に、純粋に惹かれ合う少年二人の出逢いと悲恋を描いた傑作ドラマです。
ワールドカップに沸く1982年のイタリア・シチリア島の小村を舞台に、花火職人の16歳の息子：ニーノと自動車整備工の17歳の少年：ジャンニの出逢いと恋の顛末を陽光煌めく真夏のシチリアの情景の中に瑞々しく映し出した“同性恋愛ドラマ”の傑作です。
カトリック国である1980年代イタリア・シチリア島における、バイク事故をきっかけに知り合った二人の少年の秘かな相愛が、同性愛者に対する家族や地元の人々の偏見と無理解により崩壊へと向かう様子が儚さと悲哀で満たされていく不条理な青春悲恋映画で、家族に恵まれた“陽”のニーノと義父との関係が破綻している“陰”のジャンニの対照的な少年二人の自然な惹かれ合いが繊細な心理描写で丹念に描出されていますし、真夏のシチリア島の開放的な気候＆自然や、整然と建ち並んだ石灰色の家屋＆インテリア、地元の人々で賑わう聖人祝祭＆打ち上げ花火…と夏のシチリアの美しい情景＆文化が少年二人の瑞々しく純粋な想いと共鳴しています。
