この映画を見ながらふと「人間も動物の種類では?」と思った。人間と動物の明確な違いなんか曖昧で、単純に人間が他の種を支配しているだけなんじゃないのか?という疑問がよぎった。他の種より多少優れていれば、拒絶や排除をしていいものだろうか?勿論その答えはNoだろう。現実で起きている戦争やパンデミックから生まれた分断は、移民問題も含め欧米で別なトラブルを生んだ。そういう背景を考えるとこの映画で描かれている動物は明日の自分かもしれない。
家族が動物になる病に侵され、その現実や葛藤を中心に描かれていてSFやファンタジー感は薄い。父フランソワの最後の台詞がめちゃくちゃいい。個や自由を重んじるフランスらしい作品。登場する動物の特殊メイクはどれも素晴らしい出来栄えでリアルだった。タコと蜘蛛はやだなぁ。私は岩か苔とかでいい。