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このろくでもない世界でのIPPOのレビュー・感想・評価

このろくでもない世界で(2023年製作の映画)
3.6
『息も出来ない』を彷彿する懐かしくも残酷な現実を描いた韓国お得意の裏社会ノワール。

貧困家庭の高校生meets 裏社会で生きる孤独な男。

2010年くらいまでこんな内容の映画はよく見かけた気がしたけど2020年代になってもこういった現実って韓国に転がってるのかな?ベトナム戦争で大勢の人を殺してきた男性たちが家庭を持った時、戦争のトラウマを発症して酒に溺れたり、家族に暴力を振るったり…ってのは社会的に落ち着いてそうだけど。(韓国作品からそんなことを学んだ私)

2020年代でもクズ男に寄り添って生きようとする演歌の世界みたいな女、子どもが居るのにロクに稼がない男、学ぶ機会をまともに持てない高校生が居るのだとしたら韓国の社会システムってまだまだ未熟よね。

何が言いたいかと言いますと、この主人公の運命の元凶は母ちゃんがあのクズ男と再婚したこと。母ちゃんの未熟さが息子の人生を破滅に追い込んでるとしか思えない。

とにかく色々と痛々しく、それをエモーショナルと呼ぶ韓国映画においてはかなりの力作。しかし観ていてつらかった。
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