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アポカリプトのKAZUのレビュー・感想・評価

アポカリプト(2006年製作の映画)
4.0
まさに、二時間弱の地獄絵図。狂気と暴力がここまで支配する作品は近年観たことがない。しかも、『MAD MAX』の熱量と『地獄の黙示録』の精神世界へ堕ちていくような余韻を掛け合わせて...。

監督メル・ギブソンは明らかに狂ってる。
ハクソーリッジでも一端を垣間見せていたが、今作品で二時間弱描いていたのは「死」だけである。監督の宗教観なのかは分かりませんが、ただただ惨たらしい死を描いてます。マヤ文明時代の歴史云々は差して重要ではなく、なんなら歴史的背景や風土などは単なる風景でしかない。

主人公が逃げる最中に目にした、死体の山にはホロコーストや原爆後の広島・長崎を連想をしてしまったのは私だけでは無いはずだし、太陽の神殿から転げ落ちる切断された頭部のシーンなどはイスラム原理主義者達の死刑執行を思わせる。

不快なシーンばかりだが、高評価が表すようにとても面白い。ストーリー展開はシンプルで(逃げるだけ!)だし、スピード感やテンポの良さで一気に見終わってしまう。要は、遥か遠い昔のマッドマックスってことだ。
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