【温故知楽】
『ウェンズデー』がド嵌りだったジェナ・オルテガ目当て。ティム・バートンも、あのシリーズで勢いに乗ったみたいね。元々、彼のつくるビジュアルは好きだし、今回ハズレはなかろうと劇場へ。
が、あまり期待はしなかった。そもそも、バートンは緻密な物語をつくれないし、前作は8時だョ!全員集合みたいなモンだったから。監督としてももう、旬は過ぎたと感じているし。
ジェナに関しても、70代に近づく監督が、20代はじめの女子物語をキチンと描けるとは思えなかった。
見れば、やっぱり予想通りだったが、予想通りだったからさほど不満もなく。楽しかったよ。
死後(=過去)の世界に引き込まれる物語なら、現在に戻れればハッピーなのだから、特別、新しさは要らない。既に実績ある、オモロいキャラに満ちた世界で同じことを繰り返しても、まぁオモロいんだよね。
バートンもそれをわかっており、肩の力を抜いて、つくることを愉しんだのでは?
エルフマンの音楽も、鋭さより円やかさの方が勝っている。それに挿入歌が懐メロばかりだからね。極めつけは、そこで『キャリー』を使うんかい!と。まあ、これも伏線になっていたけれど。
ビジュアルは全般、“特撮”より人物の方が際立っていて、バートンの年齢を感じます。
マイケル・キートンは前作同様、ダミ声のウザいオヤジってだけだった。でもそれでいいよねコレは。
ウィノナ・ライダーはイタかった…。キャリアの中断が大きかったのか、この方、女優としての成熟へ乗り損ねた気がする。黒尽くめの見た目は、どうにも黒柳テッコさんの枯れ方を連想してしまったが。
だからか、継母役キャサリン・オハラの方が、達者な演技でウィノナより照っていたなあ。
ジェナは断然、『ウェンズデー』の勝ち。本作の役どころなら他にもできる女優さんが居るでしょう。本人のパワーは隠せないから、時々、光が漏れていたけど。
…何だかモニカ・ベルッチ含めて、熟女勢の方が目立っていたね。モニカの“合体”は、彼女が若い頃ならヤバい程エロティックだったろうが、お肉のユルさ含め、平熱で見られる仕上がりで、まあ…善かった。
全般、常連客向けの、よくできたバラエティ・ショーと言えばいいだろうか。でもこの質を担保できるなら、続きが来ても見ていいかな…とは思えた。
<2024.10.1記>