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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のmiumiuのレビュー・感想・評価

3.8
アガサ・クリスティ作品が好きで3作目も楽しみにしていたケネス・ブラナー版ポアロ。

1作目は「復讐」がテーマの超有名作品の再映画化、2作目はより旅行気分が味わえつつ濃厚なメロドラマ… ときて、3作目はまさかの超常現象ホラー。
ミステリのつもりで観に行ったらずーっとホラー風の演出が続くからホラー苦手な自分はずっとビビり倒していたよ…
それでも「ケネス・ブラナーがホラーを撮るとこうなるのか」というのが観られて興味深かった。
カメラワークや画面内の構図は相変わらず凝っていて素敵。
ホラーの雰囲気を高めるヒドゥル・グドナドッティルが手がけた劇伴も良かった。

原作の短編小説は未読。
探偵業を引退してヴェネツィアで隠遁生活を送るポアロが、友人の作家に誘われ不吉な伝説の残るお屋敷で行われるハロウィンパーティーと降霊会に行くことに。
そこで起きた殺人事件と、過去に起きた事故? 自殺? 霊による殺人? 事件の解決に乗り出すストーリー。

前2作はケネス・ブラナー版ポアロの濃すぎる存在感のせいで他の役者が霞んで見えたけれど笑 今作は曰く付きの幽霊屋敷のシチュエーションと不穏な雰囲気が続くホラー展開、そしてポアロ自身が引退している設定でおとなしめなこともあり、かなりバランスが取れている印象で見やすかった。
犯人には途中で気づいたけれど、それでも最後までビクビクしつつ楽しく観られた。

3作品とも監督(ケネス・ブラナー自身)&脚本コンビは変わらないのに雰囲気がまるで違うのはすごい。
ケネス・ブラナーにはこのまま、毎回違うテイストで楽しみながらポアロ作品を映画化してほしい。
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