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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊のdaradaraのレビュー・感想・評価

3.7
シリーズを吹替で観てたから吹替にしたかったんだけど、まさかのディズニープラスのみにしかないとうことで、アマプラレンタルの字幕版で。

元々ホラー好きなのもあって今回のテイストはめっちゃ好きでした。
いかにもな曰く付きの屋敷。娘の亡霊。悲嘆に暮れる母親。霊媒師。降霊会。ハロウィン。憔悴した父と聡明な息子。企みを持つミステリー作家。そしてベネチアで隠居した探偵。
こんだけガワをてんこ盛りで、わりとガチ目にホラー要素をぶち込んでこられたらそりゃ面白いよ。
ミステリーはお墨付きだけど今回は割と最後までポワロが振り回される。
真相としてはそれもありかぁ…という気もしたけど(幻覚だと何でもありになっちゃない?ってやつ)、それを裏付ける要素は意外と出てたから許容範囲か。
あとは、実際に霊がいたのかいなかったのか、というオチも好き。
最後のセリフも好き。

「理性より潜在意識で事実を組み立てた」
「その存在が何であれ、人は己の亡霊からは逃れられない」

ポワロなりに現実的に組み立てられる理論で霊を否定しつつ、人が持つ感覚や内省的な亡霊、その何かを肯定も否定もしない。
ただ、逃げられないから向き合っていくしかないので、また探偵に戻って事件を解決しにいく。
冒頭の依頼と繋がるラストも心地がいい。
正直賛否あると思うけど、僕は好きでした。
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