やはり怪作。原田監督というとことである程度身構えていたがフィクションと現実の世界の構築の仕方が上手いからすんなりこの変な世界に身を任せられる。序盤にジャズ歌手の坂田さんが出てるのを確認できたから西成のホンモノ感が溢れる。ヘルドックスのMIYAVIのようなビジュアル系の賭場を仕切っている女性やミネソタ好きの店主、コワモテでふにゃふにゃして一人称がボクだがスーツを着たらシャキッとする曼荼羅(宇崎竜童)、サイコパスに見えるけどただの阿呆の山田涼介など良いキャラが揃ってる。警察の面々もノリに笑ってしまって好き。大阪ノワールだからでしょうか、普通に笑ってしまう場面あり。顔のショットのつなぎ方や何してるか分からない会社の資料の伝達で人がつながっていく描写は面白かった。情報量多いし、セリフもバンバン漫才のように交わされるため聞き取れないところ多い。ただそこは雰囲気でだいたいイケる。
序盤のおばさん相手に詐欺を仕掛ける場面の本当にこういうことが行われている感じが妙にリアル。警察との攻防、リアルタイム進行もあってか緊張感あり。こういう騙す騙されるの駆け引きがあと1つ提示してもらえればということろ。安藤サクラと山田涼介がマネーゲームを仕掛けるところの作戦会議あたりから少しダレてるような印象を受けたが天童よしみが全てを掻っ攫ってしまう。そしてあの安藤サクラの疾走は爽快だ。
