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DOGMAN ドッグマンのtagomagoのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.2
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの熱演が画面に宿っていた。語り口や受け答えから滲み出る色気、細長煙草を上品に吸うその仕草、全てがパーフェクト。どの映画でも絵になる何かに決意して鏡の前で自分でザクザク髪を切る姿もバッチリ入ってくるし、おそらく歌唱は吹替なのが残念だが画面にまさにエディット・ピアフが出てきたような瞬間。白塗りと抑圧された者という点でジョーカーを想起するがケイレブ・ランドリー・ジョーンズの熱演で独自のものを獲得していると思う。

アクションは抑えめでダークヒーロー感はない。キワキワまできているが無理に広げていかない世界観はなかなか好印象。犬たちが賢すぎてダグラスのために盗みはするし、悪党もやっつけるし、やりすぎ感は否めないが犬の唯一の欠点としての忠誠心がギリギリ現実でもあるかなレベルに置き換えられる範囲になってる。しかしリュック・ベッソン特有の可愛げはない。これを寂しいと思うか。対話によって過去が掘り下げられていく話としては時系列が混在していくのが少し気にはなるが落ち着いて良い。
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