地味だが好きな映画だ
主人公のエテロはジョージアの地方の町にひとりで住み、コスメ雑貨店を営むアラ5女性である。
コメディでも、回想録でもなく
今、現在を生きる孤独な初老女性がどう生活し、何を考えているかを話の中心に据えている。スポットライトはそこに当たっている。
冒頭でちょっとしたことから死を意識するようになったエテロ。戦場に送られる兵士が女のもとに走るかのように、無骨な(すまん)エテロのアンプラトニックな「初めて」も話に入ってくる。どんだけ遅い青春をやりおるかと、呆れ微笑ましい気分も束の間、死のイメージが現実のものとして迫ってくる。
自分の子の未来を彼女に重ねて見て、正直こうならないで欲しいと願ってしまう。私は私 などと拗ねた気持ちでは言うな。
この映画をみて力をもらって欲しい。