カネコ

スイート・イースト 不思議の国のリリアンのカネコのレビュー・感想・評価

4.3
タイトルが不思議の国のアリスを想起させるように少女が流れに流されるように各地を放浪するストーリー

似たような感じだと先日観た”ワンダ”もそうだし邦画だと”百万円と苦虫女”(こちらは明確に逃げてるという点はあるけど)あとエヴァ・オーリンの”キャンディ”もよく似てる。
“キャンディ”は60年代カルチャーやファッションを詰め込んでエロでコーティングしたような素敵作品で🍭
キャンディ演じるエヴァ・オーリンのロリータなルックスも最高でアリス系作品に顔面偏差値は欠かせない要素の一つだという証明にもなっている。

そこで今作のタリア・ライダー。ウィノナ・ライダーとクリステン・スチュワートの良いとこどりみたいな顔で綺麗と可愛いの両方を持ってる。
話が動かないシーンでも顔面だけで場が持つ。これは才能ですよ。
オープニングお前が歌うんかい!だけど顔面つよつよなので無問題。歌声も可愛いし。

今作はアリス的なストーリーをアメリカのアングラ・サブカルベースに政治的なエッセンスをちらりと落としたようなテイスト。

町山さん解説付きで観たので鑑賞時分からなかった所も色々補完出来てお得だった。

タリア・ライダー演じるリリアンが修学旅行先で銃乱射事件に遭う。この事件はピザゲート事件という実際にアメリカであった陰謀論事件が元ネタとの事。日本で言うとプチエンジェル事件をライトにした感じの事件かな。
リリアンは居合わせたパンク男と鏡の裏の地下道を通って脱出。
パンク男は前衛アーティスト兼活動家だった。その後ネオナチ大学教授、インディペンデント映画監督、EDM好きイスラム主義者とリリアンは行動を共にする。

一番好きだったのはネオナチ大学教授かな。けっこうイケオジだったし手を出して来ない所も高ポイント。話が長くてつまらない事を除けば(それって致命的)ずっと居ても良かったかも。
インディペンデント映画のくだりで出て来たジェイコブ・エロルディもやっぱりイケメンだった。

2度目の乱射事件に巻き込まれてイスラム主義者に匿ってもらって軟禁状態になるリリアン。洗面器をトイレ代わりにして毎日男に渡すって凄い勇気いるよね、、、
リリアンの度胸の座り方がこの後この小屋から出ていく時の咄嗟の演技にもよく表れてた。

リリアンはどこにいても誰と一緒でもその相手を肯定も否定もしない。
ちょっと困ったように微笑んでさらっとかわし場面は変わっていく。
彼女はこれからもあのスマイルで現代をさらさらと流れていくんだろう。
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